身体の不自由な方の日常生活を心身ともにサポートする介護職。高齢社会の中にあって、今や欠かすことのできない重要な仕事と言えます。その一方で、利用者を介助する際の肉体的な負担も大きく、介護の現場では様々な職業病に悩むケースも目立ちます。特に腰痛については慢性化しやすいため、離職の原因にもなりかねません。この点、介護職の腰痛を防ぐために、腰痛予防体操を取り入れている介護現場もあります。腰痛予防体操によって、腰回りなどの筋肉を強化し、筋力の向上や柔軟性を図ることができるからです。では具体的に、腰痛予防体操とはどのようなものなのでしょうか。ここから詳しく説明しましょう。
腰痛予防体操は大きく分けて3つのパートから成り立ちます。まず1つめは、背筋を伸ばす運動です。仰向けに寝てから両膝を抱え、ヘソを見るような感覚で、全身を丸めます。そしてこの状態のまま5秒ほどキープ。これをワンセットとして、10回ほど繰り返します。続いて2つめは、お尻と太腿の筋肉を鍛える運動です。椅子の背もたれになどに両手でつかまりながら、両足を30センチほど開いて立ちます。背中を伸ばした状態で、そのままゆっくりと腰を落とし、同じくゆっくりと立ち上がります。これを自分の体力レベルに合わせて、数回繰り返します。最後は腹筋を鍛える運動です。仰向けに寝たら、両膝を立てます。ヘソを見るような感覚で、首だけゆっくり起こし、この状態を5秒ほどキープします。ここまでをワンセットとして、10回を目安に繰り返します。たったこれだけのことで腰痛を予防できるのであれば、マスターしないのは損ですよね。